本:大人のための読書の全技術

2020/12/14

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『大人のための 読書の全技術』
著者:齋藤 孝
ジャンル:人文・思想
発売日:2016/8/10

著者齋藤さんは現在明治大学文学部教授でいらっしゃいます。
齋藤さんの授業を受けられる学生さんが心底羨ましく思います。

授業を受けることができない状況でも、本を読むことでたくさん学ぶことができます。
それが『読書』だと思います。

齋藤さんの本は3冊目です。
本書では、「大人の読書」について語られています。


本書の目次

はじめに
序章 社会人こそ、読書術が必要な理由
第1章 読書のライフスタイルを確立する
第2章 読書の量を増やす―速読の全技術
第3章 読書の質を上げる―精読の全技術
第4章 読書の幅を広げる―本選びの全技術
第5章 読書を武器にする―アウトプットの全技術
終章 社会人が読んでおくべき五〇冊リスト
おわりに

読んでみての感想

歴史上の人物だったり、文学だったり、ビジネス書だったり、自己啓発本だったり。

テレビや新聞やインターネットでは供給されないことが、本にはたくさんあります。
知らない言葉や表現との出会いもたくさんあります。

著者が語る情景を読みながらイメージする想像力も身につけられます。


本書で印象に残った部分を少しだけ引用します。

天才とか偉人と呼ばれている人は、学ぶことがうまい。
あるいは学ぶ情熱にあふれているので、実に多くのヒントをもらうことができます。
それに加えて、自分も頑張ろうというモチベーションまでも、与えてくれるのです。

確かに!!!
先日読んだ「夢をかなえるゾウ2」にも似たようなことが書かれていたのを思い出しました。
(→「夢をかなえるゾウ2」レビューは後日別記事にします。)

自身もこれまで、数えきれないほどの壁にぶち当たって、そのたびに本からたくさんの言葉を知り、意味を知り、教えてもらってきた気がします。

それは今後も、いや今現在も進行形で学んでいます。

次に、面白いなと思ったのがこちら。

収入の中に食費が占める割合を「エンゲル係数」と言いますが、自分の「書籍係数」を出してみるのです。

自由になるお金のうち、書籍費が1割未満の人は読書が習慣として身についていないとおっしゃっていました。

これは人それぞれ感覚が異なるかもしれませんが、著者はなぜここまで読書をススメているのかというと、現代人を心配されているんですよね。

仕事ができない人、頭が働いていない人のほとんどは、読書不足が原因だからです。

と。
これは先日まで目の当たりにしていたことなので同感です。
言葉の意味を深く読み取る思考が欠けていたり、自分の思いを言語化できなかったりで、会話が成立しにくいと痛感しました。

いやもちろん、自分が完璧にできているというのは無いですが、表面や一部のワードだけを見て判断してしまったり、伝える文章作成ができなかったり、ということです。

人の言動や、行動には、何かしら理由があると思っているのですが、読書している人は、
そういった背景をイメージする思考や想像力が有ると思います。

他には、本棚を置きなさい、と述べられている部分で、うんうんうん!と思ったのがこちらでした。

他の人が見たら、こんな本も読むのかと驚かれるくらい、いろいろなジャンルの本を並べるべきです。
そうすると、だんだん本棚がガチャガチャしてきます。
でも、それこそが健全な読書だと私は思うのです。

今年、本棚を新調したのですが、この並び順をどうしようかと考えていた時、まさに「ガチャガチャだな」と思っていたんですよね(笑)

だけどこれが健全な読書だと言ってもらえてホッとしました。

前回読了した同著者の本にも書かれていたことですが、読書は、思考力、認識力、人間関係能力、などあらゆる力が鍛えられるとおっしゃっています。

一気にリモートワークが普及した2020年、チャットやメールでのやり取りが増えました。
相手の意思を読み取る読解力、自分の思いを伝える文章作成能力は、文脈からすぐにわかると思います。

読書していないのがバレるのはよくない、と言っているのではなくて、これらの能力が備わっていると、チャットやメールで、もっとスムーズなコミュニケーションができるのではないか、ということです。

あとこれは触れないわけにはいかないことが書かれていました。
代弁してもらった気持ちになり、嬉しくて泣きそうになりました。

司馬遼太郎作品を昭和、平成の日本人たちは愛読し、自分を奮い立たせたり、感動をみんなに話したりしてモチベーションを上げていました。
(中略)
多くの読者は、距離的にも時間的にも遠い物語の中から、司馬さんが訴えたかったことを読み取り、語り合いました。

そうなんです(涙)
当blogに何度も登場した司馬作品。
何度も何度も読み直し、感動し、自分を奮い立たせてきました。
(あ、熱い話になってくるので興味がある方は、ブログ内記事検索してみてください(笑))

例えば、音楽でも似たようなことってありますよね。
この曲の歌詞は、どういう意味なんだろうって調べることありません?

好みのミュージシャンが作詞した楽曲だと特に、そのミュージシャン好きが集まるコミュニティ内で歌詞の解釈について語り合ったり、個人のblogで書き綴られている方だったり、または動画で語っている方もいますよね。

本でも同じようなことがあって、それがコミュニケーションを深めるんだよ、と著者もおっしゃっていました。

例えば、営業先の雑談でも「あ、この人はいつも本を読んでいるんだな」と評価される、と。
その結果、人間関係もよくなり、仕事の流れもスムーズになってきます。

私はまだまだ知らないことだらけです。
だけどこうやって本から学ぶことは幾つになっても遅いとは思いません。

遥か昔、歴史上の偉人たちはほぼ、読書しています。
本から、それ以前の出来事や思考や手順や手法を学んでいます。

真似をすることから始まり、プラスアルファでさらに進化させ、それを記述し、書籍化。
そのループが今も続いていて、人類は進化してきました。

本書の終章で、著者オススメの本が50冊紹介されているのですが、これらの本を「今」知ったことも運命なのかなと思いつつ、ぜひ読んでみたいと思いました。

まずは、読むこと。
知ること。
学ぶこと。
真似からでいいじゃない、行動すること。

そう言われた気がしました。
これからも知らない世界に出会う瞬間のワクワクに向かって、読んでいきたいと思いました。

あっちゃん解説

いつも面白く、わかりやすく解説してくれるあっちゃんのYouTube大学が大好きです。
今回も楽しく拝見させていただきました。

参考

齋藤さん著書の過去記事はこちら↓↓
(こちらもかなりの良本です)



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