『仕事、人間関係の悩みがスーッと軽くなる!「繊細さんの知恵袋」』
著者:武田友紀
著者プロフィール
1983年福岡県生まれ、東京都在住。
九州大学工学部機械航空工学科卒。
メーカーでの研究開発を経て独立。
フリーのカウンセラーとして個人向けの人間関係カウンセリングや適職診断を行う。
夫と子ども(3歳)との3人暮らし。燻製とさつまいもが好き。
ー引用元:繊細の森
繊細さんとは?
冒頭にもありますが、あらためて「繊細さんとは?」の説明を。
- 人と長時間一緒にいると、疲れてしまう
- まわりに機嫌が悪い人がいると緊張する
- 細かいところまで気づいてしまい、仕事に時間がかかる
- 疲れやすくて、ストレスが体調に出やすい
まわりの人が気づかないちいさなことにもよく気づく、繊細な人たちがいます。繊細さは生まれ持った気質であり、生まれつき背の高い人がいるように、「生まれつき繊細な人」がいることがわかってきたのです。アメリカの心理学者エレイン・アーロン博士は、こうした人たちをHSPと名づけました。HSPは日本語で「とても敏感な人」「敏感すぎる人」と訳されていますが、この気質を「いいもの」としてとらえ、私は「繊細さん」と呼んでいます。
本書の目次
序章:「繊細さん」が人間関係も仕事もラクになるコツ
第1章:人間関係で悩んだときの知恵袋
第2章:仕事で悩んだときの知恵袋
第3章:日々の悩みを解決する知恵袋
第4章:「繊細さん」の素敵なところを活かす知恵袋
読んでみての感想
「繊細さん」についての細かい部分は、
同著者の本にも掲載されていますので、本書と合わせてそちらをご覧いただくとして。
私自身は「繊細さん」の自覚アリです。
なので、「繊細さん」シリーズに大変共感していますし、とても救われています。
「繊細さん」ではない人(非繊細さん)も、
本書を読むことで、「繊細さん」がどんなところで気になっているのかが少し理解できるのではないかと思います。
本書では、著者がカウンセリングしてきた中で「繊細さん」たちの知恵がたくさん紹介されていました。
■例1「ちょっとした指摘に落ち込んでしまうときは、どうしたらいい?」
職場や友人関係において、相手から言われた一言がグサッときて、なかなか立ち直れない・・・・。深く考える繊細さんは、何気ない一言にもとことん向き合いがちに。ほかの繊細さんたちはどう対策しているのでしょう?
私のことですね。これ。
いちいち一言にグサッときて、その言葉が気になって・・夜も眠れないときがこれまで数えきれないほどです。。。
ほかの繊細さんたちがどう対策してきたかの例が細かく紹介されていました。
さらに、著者の解説がとてもわかりやすかったです。
繊細さんには「深く考える」という性質があります。まわりから指摘を受けると「私があのときこうしておけばよかった」と自分の行動を何度も振り返ったり、「どういうつもりで言ったんだろう」と相手の発言を考えたり。相手の一言が自分の中で燃え広がってしまうのです。(中略)人間が相手に言う言葉は、その人自身の生き方を反映しています。相手に対する「もっとこうしたら」「〇〇なところがだめだよ」という言葉は、その人自身が「自分はこうでなければならない」と思っていること。たとえば、「もっとちゃんとしてよ」と言う人は、自分自身に「ちゃんとしなければ」と言ってきた人なのです。言葉のカラクリを知っておくと、「自分のことを言われた」というよりも、「この人は、そういう縛りの中で生きているんだな」と理解できます。
言われたときに「そうだよね、イヤだったよね」「びっくりしたよね」と自分の感情を受け止めることで少しずつ動揺が鎮まっていくよ、とも。
■例2「まわりのフォローばかりで自分の仕事が進まないときは」
同僚の作業を見て「ここが抜けてるみたいだけど大丈夫かな」とハラハラしたり、「困ってるみたい。フォローが必要かも」と気づいたり。まわりをフォローするうちに時間がたって、「自分の仕事が全然進まなかった」となることも。こうした状況には、どう対処していけばいいのでしょうか?
これも、私のことでした。
気がついてしまうんですよね。。。
他の繊細さんたちは、
- 自分は手を動かさず「どう思う?」にとどめる
- 思い切って手放す
- フォローしきれないものは拾いに行かない
などなど。
そうなんですよね、見守る、ことに徹したい気持ちは山々なんですが、
最終的に自分のところに回ってくるのも見えてしまうので、
そうなる前に、声をかけたり、我慢できずに自分がやってしまったり。
本当によくある例です。
著者はそんな私の思考がおわかりになるようで(笑)
ずばりこうおっしゃいました。
繊細さんは細かな情報をつなぎ合わせ、「こうしたら、こうなる」と先のことまでシミュレーションしながら働く傾向にあります。そのため、「このまま進めたら後でやり直すことになるのでは」「あれはこうしておいたほうがいい」など、先々の展開までよくみえるのです。(中略)1.これは誰がやるべき仕事だろうか?2.私はフォローしたいのかな?先回りして助けなくても相手には仕事を進める力がある、放っておいても案外何となくわかる、とわかると、相手を助けすぎずに自分の仕事に集中できますよ。
確かに。
どうしても「このあとの展開」が見えてしまって(実際そうなることが多い)先回りしているところがありました。
放っておいてみます。
ほかに共感した例としては、
■例3「相手のミスを指摘したいけど、気を悪くされるんじゃないかと心配です」
■例4「人に指示するのが苦手です」
■例5「職場でずっと気を張っていて、毎日ぐったりするときは」
■例6「苦手な人がいるとき、どう接していますか?」
■コラム「繊細さ」と「神経質」のちがい
です。
気になる方はぜひぜひ本書をお読みくださいませ。
第4章では、そんな「繊細さん」の素敵なところを活かす知恵袋ということで、嬉しくなることがたくさん書かれていました。
下記「5つの力」は、自分の強みとなるのかもしれません。
感じる力、直感の力、考える力、表現の力、良心の力
この5つの力は、仕事でもプライベートでも活かしていける力だそうです。
それぞれの詳細も解説されていますので、とっても励みになりました。
ここで一番印象に残った著者の言葉を。
繊細さんだと気づくことは、仕事においても大きな影響があります。「自分の努力が足りないんだ」「自分が弱いんだ」と思っていると、つらくてもその場でがんばり続けてしまうのですが、気質を知ることで、「つらいのは努力の問題ではなく、この仕事(職場)が合わないからではないか」と視点が変わります。「自分を活かせる仕事(職場)はなんだろう?」と、自分を活かす方へ考え方が変わるのです。
過去の「繊細さん」シリーズ記事でも書きましたが、
自称:繊細さんの私は、小さな幸せをよく感じています。
お天気がよくて、青空を見ているだけで心も晴れる。
風が心地よくて、気持ちがいい。
おうちで育てている観葉植物に新しい芽が出てきた。
ランニングができた。(やりたいことができた)
美味しいパン屋さんを見つけた。
嬉しかった。
楽しかった。
面白かった。
夕陽が綺麗、月が綺麗、山の緑が美しい、街の緑が美しい、紅葉が綺麗。
などなど。
自分がどう思ったか、どう感じたか、自分の素直な気持ちを受け止めるようにしています。
あ~イヤなこと言われたなーとか、
そんな言い方ある?とか、
日常茶飯事ですけど、
誰かの言葉に敏感な分、嬉しいとかお気遣いいただいてるなと思える言葉にも敏感に反応しています。
それを短所ではなく、長所とすることで、
まずは自分で自分を認めてあげるということなのかなと思いました。
「繊細さん」は、5人に1人とのことですが、
ベストセラーになるほど、反響が大きいのは、
それだけ自分と同じ気持ちの人も多いということなんだなと、
前向きにとらえよう、とあらためて思いました。
最近の本レビューでは、
「言葉」「会話」「言語」「コミュニケーション」についてを多数取り上げていますが、
言葉の重みが人それぞれ違うことを前提としたならば、
相手が繊細さんかどうかはさすがにわからないので、
やっぱり自分が発する言葉は、
誰に対しても、より前向きなことを発していきたい。
そう強く思いました。
著者武田さんの言葉は、とても優しい。
だからこそ、私には響きました。
また読むことになると思います。
ありがとうございました!
参考
↓単行本(ソフトカバー)
↓↓Kindle版(電子書籍)
↓著者ご本人からのコメント記載あり。
3度目もあっちゃんのわかりやすい解説です!