本:ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

2020/12/22

t f B! P L

 


著者:ブレイディみかこ 
ジャンル:教育学
発売日 : 2019/6/21

をはじめ、数々の賞を受賞している、2019年出版の話題作。

著者プロフィール

ブレイディみかこ
1965(昭和40)年福岡生まれ。
県立修猷館高校卒。
音楽好きが高じてアルバイトと渡英を繰り返し、1996(平成8)年から英国ブライトン在住。
ロンドンの日系企業で数年間勤務したのち英国で保育士資格を取得、「最底辺保育所」で働きながらライター活動を開始。
2017年『子どもたちの階級闘争』で新潮ドキュメント賞を、2019(令和元)年『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』でYahoo!ニュース|本屋大賞2019年ノンフィクション本大賞を受賞。
他の著書に『THIS IS JAPAN』『ヨーロッパ・コーリング』『女たちのテロル』などがある。
ブログ ⇒THE BRADY BLOG

本書の目次

はじめに
1 元底辺中学校への道
2 「glee/グリー」みたいな新学期
3 バッドでラップなクリスマス
4 スクール・ポリティクス
5 誰かの靴を履いてみること
6 プールサイドのあちら側とこちら側
7 ユニフォーム・ブギ
8 クールなのかジャパン
9 地雷だらけの多様性ワールド
10 母ちゃんの国にて
11 未来は君らの手の中
12 フォスター・チルドレンズ・ストーリー
13 いじめと皆勤賞のはざま
14 アイデンティティ熱のゆくえ
15 存在の耐えられない格差
16 ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとグリーン

読んでみての感想

「元・底辺中学校」に通うことになった息子。
母である著者が、息子の中学生活を綴ったノンフィクション本である。

英国在住の著者が子育てをしながら、息子が通う中学で人種・国籍などの多様性・差別、格差社会を目の当たりにし、悩み、息子・配偶者とともに社会問題を問うています。

子どもから見える世界観。英国から見たJAPAN。
考えさせられる場面はいくつもあります。
印象に残ったシーンをひとつだけ。

「エンパシーとは何か」

期末試験の問題に息子はこう答えた。

「自分で誰かの靴を履いてみること、って書いた」

自分で誰かの靴を履いてみること、とは英語の定型表現であり、他人の立場に立ってみるという意味なんだそうです。

これをサラッと答えた中学生の息子。
地域No.1の公立小学校に通い、生徒会長までつとめていた息子。

とはいえ、大人もわからないことを理解していたことに、著者が驚いた場面です。

子どもって大人が知らないうちに、いろんなことを吸収していて、想像以上に意識が高いことってありません?
もちろん、まだ未熟なところはありますが。
未熟なところがあるのは大人も同じなわけで。。

相手の立場に立ってものごとを考える。

これは大人社会に出ると、もっともっと遭遇するので、中学でこういう授業をされていて、しっかり理解している本書の息子さんは素晴らしいと思いました。

日本に帰省滞在していた間に、絡んできた酔っ払い日本人が言った無意識な差別用語の場面はもう、あるあるだなとその情景がリアルに目に浮かぶほど、著者の文章技巧が素晴らしかった。

無意識に使っている差別用語。
言われたほうはおそらく傷ついているし、傷つかないように耳を塞いでいたり、または心を閉ざしてしまうきっかけにだってなります。

本書は、その情景が目に浮かぶようなわかりやすい文章です。
同年代のお子さんも、親も、大人も、リアルな場面を想像しながら読める本だと思いました。

著者は、音楽好きが高じて渡英されていたんですね。
文中にブルーノ・マーズとか、ジェームス・ブラウンとかの話がでてくるので、さらに親近感湧きます。

親子で読んで、お互いの感想を聞いてみるのもいいかもしれませんね。
帯に「読んだら誰かと話したくなる」とありますが、まさにその状況が作れる本だと思いました。
良本。

動画

いつものあっちゃんチャンネルにいつの間にかアップされていました。
すみません、存じておりませんでした。
読み終わったあとに拝見したんですが、あっちゃん熱で語られています。必見。


参考



Translate

Google検索

自己紹介

自分の写真
Fukuoka City, Japan
日常のあれこれ(見たもの、聞いたもの、感動したもの、買ったもの、思ったこと)を記録として残しています。
※当ブログは、アフィリエイト広告を利用しています。

連絡フォーム

名前

メール *

メッセージ *

日本100名城|登城マップ

QooQ