本:2025年を制覇する破壊的企業

2021/05/25

t f B! P L

 


この半年、いや1年くらいか、未来を予測する系の書籍が多く目に留まる。

ステイホームが続き、読書する人も増えたとか。

進化や変化が加速した2020年を体感した私たちは、これからどこへ向かうのか。
ライフスタイルや、仕事はこの先どうなっていくのか。

漠然とした不安を抱えている人も多いと想像します。

著者の山本氏は、ベンチャーキャピタリスト。
投資先を選別するプロフェッショナルなので、世の中の動向を注視している。

その先に訪れる私たちの生活にも密着していくことになるので、これから待っている未来も予測することができると思った。

未来を予測することで、何をするか。

投資する?
職業を変える?
今のビジネスに活かす?

人それぞれだと思うが、そういう目線で読み進めると、話の入り方も変わってくると思った。

2025年を制覇する破壊的企業

<本書の目次>
はじめに
5年後の未来はこの11社が決定づける
第1部:2025年はどうなっているか?
  └第1章:世界最先端11社の思惑と3つのメガトレンド
  └第2章:業種の壁崩壊とコングロマリット化の再来
  └第3章:ハードでもソフトでもなく”体験”が軸になる
  └第4章:データを制するものが未来を制す
第2部:2025年を生き抜く処方箋
  └第1章:5年後に破壊される企業、台頭する企業
  └第2章:5年後、あなたの仕事はこう変わる
あとがき


読んだきっかけ

購入したページのオススメに表示されていました。

著者の山本さんは、いくつか書籍を出されているようですが、まだ手にしたことはありませんでした。

よく目にするGAFA。

ITの世界で、知らない人はいないであろう世界的なテックカンパニーが世の中を席巻していることは、自分でもわかっていた。

GAFA以外でも最近特にお世話になっている企業もあったので気になって読んでみることにした。

得たもの

まず、世界最先端11社。

  1. Google
  2. Amazon
  3. Facebook
  4. Apple
  5. Microsoft
  6. Netflix
  7. テスラ
  8. インポッシブル・フーズ
  9. ロビンフッド
  10. クラウドストライク
  11. ショッピファイ

「はじめに」で著者はこう言っています。

どんなに革新性が高い製品やサービスでも、儲からなければ世の中に広がることはありません。
常にこの観点を持っているベンチャーキャピタリストとしては、表面的で目立つことが目的である分析による多くの未来予測書が読者の行動を翻弄してしまっているのではないかと懸念していました。
(中略)
つまりGAFAと界隈のベンチャーの動きを見ていれば、特に、GAFAですら持っていない新たなテクノロジーを生み出している企業の動向を追うことで、これからのトレンド、未来の世界の動きを知ることができるのです。
これが、世界の常識です。
ところが日本では、現在の時価総額や直近の業績に着目する傾向が強いと私は感じています。
―【GAFAだけ見ているのは日本だけ】より

ここはかなり共感した。

とはいえ、最新のテクノロジーがどんなもので、何ができるようになるとか、詳しいことは自分にはわからない。

大半の人がそうであるように、世の中に浸透しはじめてから、その存在を知ることになる。

ただ、浸透しはじめてからだとトレンドに乗り遅れ、さらには未来予測を間違えると、いかに大企業でも淘汰されていくよ、と。

ここは日本をリードする企業、いや中小企業でも、ベンチャーでも、注視してほしいと思った。

グーグル、マイクロソフト、アップル、アマゾン4社の時価総額が5.97兆ドル(約640兆円)となり、日本の上場企業の時価総額合計約5.84兆ドルを上回りました(7月20日時点)。
日本の上場企業数は約3700です。
わずか4社で、その合計時価総額を超えてしまった。
これが2025年の未来を創造する、アメリカの破壊的企業の力なのです。
―【BATHは世界にはあまり出られない】より

時価総額とは、上場企業の株価に発行済株式数を掛けたもの。
企業価値を評価する際の指標となる数値。

日付は2020年のものです。

それがアメリカのたった4社で、日本の上場企業の時価総額合計を上回るという、なんてこと!

近隣でいうと、やはり中国企業の勢いも止まりません。
日本でも、身近なところで、Made in Chinaをよく見かけるようになったのも事実。

物理的な商品もそうですが、アプリなどのソフトウェア他でも中国発のものをよく見かける、または利用することも多くなってきたかもしれない。

中国にもGAFAと同じような企業があり、BATH(バス)と言われています。

バイドゥ(B)
アリババ(A)
テンセント(T)
ファーウェイ(H)

この中には、GAFAの時価総額を抜いた企業もあるそうです。

著者は、このBATHが海外のマーケットでGAFAを追い越すことは難しいとの見解を述べられていました。
(詳しく知りたい人は本書をお読みください)

BATH以外で注目しているテック企業の名前がとても興味深かった。

中国企業が、アジアのマーケットから世界のマーケットに展開するビジネス。

すでにアジア各国で浸透しているサービスも多々あることを日本人はあまり知らない気がするので、その辺りのトレンドも視野に入れると面白いかなと思った。

さらに、5年後の未来に大きな影響力を持つ11社の動向の先のメガトレンド3つについて予測されていました。

これも興味深かった。

メガトレンド①業種の壁崩壊とコングロマリット化の再来
メガトレンド②ハードでもソフトでもなく、”体験”が軸になる
メガトレンド③データを制するものが未来を制す

アップルがなぜアップルウォッチを出したのか。
(中略)
アップルウォッチだけでなく、エアポッズなど、人が常にみにつけているようなデバイスを、アップルは意識して世に送り出しています。
―【ハードは体験を届ける一つの手段でしかない】より

Instagramを買収したFacebookも、Netflixもユーザデータを活用したさまざまなサービス展開をしようとしています。

Appleがさまざまなデバイスを展開してくる理由も納得しました。
(気になる方は本書をお読みください)

そこに、必ず登場してくるGoogle。

個人的な印象ですが、世の中のすべては既にGoogleに支配されている印象です。
良くも悪くも、というか、この先Googleを避けて生きていくことは皆無だと思っています。

であれば、手を取り合っていくしかない。
というか、活用すべきだと思った。


そして、何かと話題のイーロン・マスク。
彼が手掛けるテスラの話が一番惹かれました。

冒頭で「2025年12月12日、アフターコロナの日常世界」の話があるのですが、そこでのパワーワードは「テスラ」でした。

そんなことになるの?
と思う一方でホントにそうなるのかもしれないなーと思う部分もあった。

テスラのロボタクシー
テスラのソーラーパネル
(気になる方は本書をお読みください)

”コンピュータに車輪をつけている自動車”

乗ってみたいなー。

”テスラが広告費0、ディーラー0でも売れる理由”

日本では、というよりテスラの車を見たことがない私にとってはなんだかフワフワした印象ですが、広告費を一切かけずに売れている車。

事業展開モデルが面白い、というか「へえ」でした。

ここまで熱く、テスラを述べているのは、著者山本氏がテスラ車を所有している、ということもあるでしょうね。

でも、私も興味ある!(笑)

どう活かすか

先に述べたように、これだと思う。

投資する?
職業を変える?
今のビジネスに活かす?

現状と今後の動向を知るには良本だと思った。
遅かれ早かれ、生活に関わってくること。

では今、何をすべきなのか。

そのテック企業に「一員として加わりたい」なのか、「投資したい」なのか。
今の会社で(が)生き残れるように、「新たなビジネス展開を構築する」のか。

と、書きながら自分にも問いかけています。

まとめ

自分は知らないことが多いなー。
あらためてそう思った。

薄々気がついてはいたけれど(笑)

時代の変化に携わることがすべてではないと思うし、今の生き方も決して無駄ではないし、間違っていないと思う。

ただ、あんまり考えてこなかったなーとも思う。

時代に流されて、翻弄されて、気がついたときには手遅れ。
みたいなことになったとしても、諦めるな。

どう生きていくか。
考えよう。
これからのこと。

どんな世界になろうとも、「笑顔」で楽しくいられることが一番なのではないかと思う。

穏やかに生きていける世界になることを心から望みます。

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